リウマチ膠原病

リウマチ膠原病スプリングセミナー2020

本物に出会うためには、お金と時間をかけて自ら現地に出向くことが必要」というのが、私の持論です。

はじめに

国内の第一線で活躍されているリウマチ科医たちによるセミナーが毎年2月名古屋の中部ろうさい病院で開催されています。

今年も2月15、16日にあり、日程を調整して徳島からはるばる参加させていただきました。

百戦錬磨の「本物の臨床医」のお話はいつも刺激的で本当にわくわくします。

今回拝聴したお話のなかでとくに勉強になった部分をつつみメモとして整理します。

つつみメモ

サルコイドーシス

・原因不明の全身性肉芽腫性疾患
・肉芽腫消退後の線維化が重篤な臓器合併症を起こす(心臓・神経・呼吸器)
・各臓器に特徴的な臨床所見とサルコイドーシスに特徴的な検査所見から疑う
・心病変は不整脈(AV block、VTなど)と心機能低下(DCM like heart)が特徴
・神経病変は顔面神経麻痺や尿崩症が多い
・診断はアプローチしやすい部位(皮膚・リンパ節・肺)から可能な限り組織生検を施行して非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を証明し、他の肉芽腫性疾患を除外する
・サルコイドーシスを疑ったらすべてのケースで眼科受診する
・肺サルコイドーシスの軽症例は臨床変化を数カ月評価してから治療の必要性を判断する
・心サルコイドーシスは突然死のリスクを十分に評価する
・多くの症例では無治療で経過観察されるが、日常生活が障害される病変(眼病変、高カルシウム血症)や生命予後に関与する病変(心病変、神経病変)ではステロイドを中心とした治療が行われる

クローン病

・原因不明の消化管の炎症性疾患
・若年者に好発し、おもに小腸、大腸、肛門を侵す
・粘膜の炎症をくり返すうちに狭窄・瘻孔・膿瘍など器質的病変が蓄積し消化管の機能不全に至る
・若年で発症し長い経過のなかで進行するため、最低1回は手術の覚悟がいる病気
・臨床的寛解状態であっても腸管には活動性の病変が残存していることも多く、内視鏡的寛解を意味する粘膜治癒が治療目標となっている
・粘膜治癒を達成することで腸管合併症への進展を防ぎ長期的な手術回避につながる
・重症度がもともと高い場合や予後不良因子(若年発症、広範な小腸病変、狭窄・瘻孔、重度の肛門病変)を有する場合には、TNF阻害薬による早期治療介入(top-down therapy)を考慮する

血管炎

・免疫細胞が血管壁に入って血管を壊す病気
・血管炎を診断する際には、①血管炎を疑うきっかけとなった症状から血管炎の首座となっている血管のサイズを想定しそのサイズの血管炎の症状が他にないかスクリーニングする(問診・診察、血液・尿検査、画像検査)、②可能で必要であれば血管炎の存在を証明する(画像検査、生検、血管炎マーカー)、③血管炎ミミック(感染症、薬剤性、血液腫瘍)を考慮してできる限り除外する

肺高血圧症

・早期診断早期治療の流れで、肺高血圧症の定義が現行の平均肺動脈圧≧25mmHgから≧20mmHgに引き下げられる可能性あり
・肺高血圧症の検査所見:胸部X-pで近位肺動脈拡大、心電図で右心負荷、心エコーで三尖弁逆流ピーク血流速≧3.4m/s
・膠原病に伴う肺高血圧症の病態は多様なため、基礎疾患、活動性、ほかの臓器障害などを包括的に評価したうえで治療方針をきめる
・全身性エリテマトーデス(SLE)、混合性結合組織病(MCTD)、シェーグレン症候群(SjS)のうち、活動性を有する場合は免疫抑制療法と肺血管拡張薬を組み合わせた集学的治療により血行動態の正常化が期待できる
・一方、全身性強皮症(SSc)では基礎治療を徹底したうえで肺血管拡張薬の慎重な使用により運動耐用能を維持しつつ延命をめざす

骨髄異形成症候群(MDS)でみられる自己免疫・自己炎症性疾患(病態)

・血管炎:おもにRAEB、慢性骨髄単球性白血病(CMML)でみられ、白血球破砕性血管炎、結節性多発動脈炎が多い
・ベーチェット病:トリソミー8陽性でみられる
・リウマチ性多発筋痛症
・Sweet病
・再発性多発軟骨炎
・その他、クローン病や肺胞蛋白症なども報告あり
・自己抗体陽性:ANA、ANCAなど
・既知のリウマチ性疾患に類似していながら治療反応性が異なる

おわりに

今回の旅のなかで「本物の味」も現地で堪能してきました。

まずは名古屋名物「あつた蓬莱軒 松坂屋店」のひつまぶし

おいしかったあ~

長蛇の列に並ぶこと必至ですが、その価値は十分あります。

あと帰りの神戸で立ち寄った「北海ラーメン さんちか店」の塩バターコーン

大学生だった頃よく通ってました。

味は当時のままで、おいしかったあ~

こんな感じで炭水化物の重ね食いをくり返していたら、体重はしっかり増えてました。

残念。